脳から体の各部への指令は神経を通って伝達されます。自律神経は体の臓器や器官を自動的に調整する神経で交感神経と副交感神経があります。2つは対となり、交感神経は人間を動的なアクセルの状態にすることを、副交感神経はブレーキのような静的状態のコントロールを担います。
近年増加している原因のはっきりしない体調不良(不定愁訴)は、副交感神経の働きが低下して起こる自律神経失調症が多いと脳神経外科の医師が「
副交感神経アップで健康になれる!」(松井孝嘉著・朝日新聞出版刊)で説いています。
首の後ろ上部には副交感神経のセンターがあります。頭の重さは約6キロ、男性用のボーリングの球ほどの重さです。頭を支える首の負担は大きいのです。首の筋肉の疲労すなわち「首コリ」は副交感神経の働きを阻害します。
首コリを防ぐためには下向き姿勢でパソコンや携帯電話を長時間続けずに途中で休憩を入れること。また両手を頭の後ろに回し、頭をゆっくりと後ろに倒して首の筋肉を緩める体操をする。濡らしたタオルをラップでくるみ、電子レンジで1~2分温めて作る「ホットタオル」を首に巻くのも、血流を良くしてコリを和らげる効果があると教えます。
「
首を治せば病気が消える」(松井孝嘉著・ワニブックス刊)も同じ著者の本です。頭痛、肩こり、慢性疲労、めまい、自律神経失調症、不眠そしてうつ病まで多くの病の原因は「首コリ」(頚性神経筋症候群)にあると、症例と通院および入院による治療の実際を書いています。
「『首の後ろを押す』と病気が治る」(松久正著・マキノ出版刊)の著者は整形外科医でしたが34歳の時にカイロプラクティックを勉強するため米国に留学。カイロプラクティックは米国で生まれた手技療法で、症状や病気の根本的な原因(神経のつまり)を見つけ出し、そこを調整することで神経の流れを良くして患者の心身に完全な健康を回復させ、維持させることを目的としています。
松久医師はカイロプラクティック創始者直系のテクニックを修め、米国内での臨床医勤務を経てガンステッド・カイロプラクティック・アンバサダーを取得しました。
薬を使わず手術もせずに高度に洗練された手技で肩こり、腰痛、めまいなどの日常的な症状からアトピー性皮膚炎、膠原病などの難病まで治療します。全身すべての神経の流れを正すガンステッド・カイロプラクティックの手技には及ばないけれど、神経の流れが良くなり、つまりも取れる「ピンポイント療法」を紹介しています。体で最も重要な首の神経の流れを良くする自己健康療法は、耳の付け根の裏側を軽く押しながら腹式呼吸をするという簡単なもの。さらに自分の不快な症状や病気が良くなった状態をイメージしながら行うと効果はより高まります。肩こり、腰痛、膝痛などの各部の痛みのほか、高血圧、糖尿病、心臓病などの生活習慣病、また関節リウマチ、ぜんそく、そしてうつ病などにも効果ありとのこと。脳からすべての臓器への指令は第一頚椎をかならず通って下へと降りていきます。したがって神経のつまりが背骨のどこにあるかを探さなくても、第一頚椎の神経の流れを良くすれば、その下にあるすべての神経に良い影響を与えられる・・、首は脳の一部です。大事にしましょう!
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